アメリカ留学中のHさんのことが,気になっています。

2025.05.31

昨年までリモート授業を受講していたHさんが留学しているアメリカのトランプ大統領が,ハーバード大学の助成金を大幅カットしただけでなく,留学性の排除や留学資格受け入れ停止を命じました。(2025.05.27 テレ朝ニュース)。このトランプ氏の留学生に対する対応が,教え子のHさんのアメリカ留学生活に悪影響が出ていないのか,気になっています。

今回,トランプ氏がハーバード大学に圧力をかけているのを見て,いくつかのことを思い出しました。一つは,江戸時代(1839年)に徳川幕府が鎖国に反対した高野長明や渡辺崋山らを捉え,投獄した蛮社の獄です。二つ目は,20世紀の初めに知識人を中心に200万人に及ぶカンボジア国民(当時のカンボジア人口の約四分の一)を虐殺したポルポト政権です。三つ目は,20世紀の半ばに毛沢東が,政権に反対する勢力に対して行った残忍暴虐な粛清と殺戮の歴史(文化大革命)です。この3つは,権力者が独裁的な国家を継続発展するために行った行動です。トランプ氏の今回の一連の行動の中に,これらの3つの歴史的事実と共通する点を見るのは,私だけでしょうか?

一方,日本国内では日本学術会議法案が,2025年5月13日に可決され,参議院に送られました。第二次世界大戦において学者・教育者が戦争に全面的に加担し,多くの生徒を戦争に追いやった事実を反省し,学者の良識をもとに政府から独立した運営する機関として第二次大戦後,日本学術会議が設立されました。その後,政府は学術会議から推薦を受けた会員を任命していましたが,元総理の菅氏が学術会議から推薦された6名を任命しなかった(2020年9月)ことが発端となり,今回の学術会議法案が検討され、今回の法案審議となりました。今回の法案では,学術会議会員の決定権を政府が持つことになっています。菅元総理の行動や法案の発端を見ても,今回の学術会議法案は政府政策に反対する学者・知識人を学術会議から排斥する法案に見えてなりません。

何はともあれ,Hさんのアメリカ留学生活の安全が保障され,実り多いものになることを心からお祈りいたします。