受験シリーズ① 受験で,実力を出し切るコツは…

2024.11.11

いよいよ受験のシーズンです。今日は,受験勉強で培った実力を出し切るコツをお話しいたします。

多くの生徒・教師や保護者の方は,「学力がある生徒は,生徒が持っている学力を入試で出し切れる。」とお考えのようですが,実はそうではありません。

私は,高校教師の時にバレーボールチームの顧問をしていました。ある年,顧問をするチームは,才能溢れる生徒に恵まれ,彼らの日々の努力の結果,全国大会でも上位の実力があると評価されるチームに育ちました。しかし,兵庫県大会の準決勝で負けてしまいました。生徒に対する申し訳ない気持ちと,監督としての未熟さを痛感し,「実力を出し切るために,必要なものは何か?」をテーマに,その後の活動に取り組んだことを思い出します。

様々な試行錯誤の結果,「人は,自分らしいと思う行動をとる傾向にある。」ということに気づきました。「自分は,大したことはない。」とか,「自分は,大事なときには失敗する。」と日頃から考えている生徒は,いくら実力があっても,「本番では,自分の思っているイメージのように行動する確率が高い。」,すなわち「大したことのない行動をとり,失敗する。」ということです。この自分自身が持っているイメージをセルフイメージと呼ぶことにします。バレーボールで言えば,先ほどお話ししたチームは,実力は全国クラスでしたが,セルフイメージは県大会上位クラスだったのです。

学習でも,同じことが言えます。学力とセルフイメージの低いほうに,結果がついてくるのです。すなわち,自分はできるというセルフイメージを持っていても,学習が少ないと思ったような結果を出せません。逆に,いくら学習量が多くても,自分はできないというセルフイメージを持っていると,実力通りの結果を出せないのです。

受験で合格を願うなら,学習(トレーニング)の量とセルフイメージのどちらも,大きく育てる必要があるのです。