受験シリーズ③

2024.11.30

中学校受験・高校受験・大学受験の違いは…

子供の自我の発達は,小学生の後半から中学生の前半に始まり,高校生の後半から大学生の初めに完成期に入ります。この精神的発達段階を考慮すると,「中学受験は親の受験,高校受験は親子の受験,大学受験は子の受験」と言えます。

中学受験 中学受験生の大半は自我が育っていない状態ですから,将来や適性などを考えることはできません。したがって,中学受験校を決め,どんな準備をするかなど,受験のほとんどのことを親が担うことになります。この意味で,中学校受験は親の受験と言えます。ところが,親が中学受験について考えや意見を持たず,周りの意見や雰囲気に流されて中学受験を選択すると,環境の変化で親が不安になったとき,この不安は受験生である生徒に直ぐに伝わります。不安の中で行動すると,よい結果の確率は圧倒的に下がります。また,不安が長期間続くと精神的に傷つく受験生もたくさんでてきます。まさに「中学校受験は,親の受験」です。

高校受験 日本の義務教育は中学校で終わりますので高校受験では,生徒自身が意思をもって高校進学を決める必要があります。ところが,高校受験生のほとんどが,思春期の真っただ中にいます。この時期の生徒は,大人のように振る舞う一方,子供のような一面も多く持っていて,精神的には最も不安定な時期です。まさに、このような高校受験生の精神状態は,ジェットコースターに乗っているような状態と言えます。この点から,親のサポートが必要です。一方,学習についてはレベルも高くなり,受験生の意識がなければ習得は難しい状況です。したがって,「高校受験は,親子の受験」と言われるのです。

大学受験 大学受験生のほとんどが自我を持っていて、自分の適性や将来の仕事について考え,行動することができます。これらは,受験生が社会に出たときの必要な精神性を育みます。したがって,大学受験に親が必要以上に口出しすると,大学以降の受験生の精神的成長に悪影響を与えることがあります。では,大学受験で親ができることは何でしょうか?それは,受験生ではどうにもできない「入学金・授業料の準備」・「食事の準備」・「子供の相談を聴く」の3つです。これら3つができれば,大学受験における親の仕事は完了です。では,大学受験で受験生がクリアしなければならないことは,何なのでしょうか?それは,大学受験合格のために具体的に行動することです。その一つが,志望校合格の学力を身につける努力と工夫です。大学受験合格ための学習量は膨大で,学習法だけでなく時間の活用など受験生自身による具体的な工夫と行動を欠くことがはできません。できない事に気を取られている暇はありません。まさに,「できることに集中して,できない事は諦める。」という潔さが大切です。

今日のブログを書きながら,小学校から大学受験までを見ても,子供の精神的成長に応じて親のサポートを変化させることの大切さを再確認しました。

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