2022.10.18
今回は,リモート物理担当の上西園武良先生の物理への思いです。興味のある生徒の参考になれば,幸せです。(黒澤義己)
(上西園武良)
大学入試の受験科目として物理を選択する人のほとんどは理系の分野への進学を目指しています。理系の基礎となっているのは数学と物理なので、この2つは避けて通れません。物理でも数学(計算)を使いますが、科目としての数学ほど高度なものは使いません。ほとんどが中学生でもやれる四則計算(+-×÷)です。ところが、理系志望にもかかわらず意外と「物理が苦手」が多いのです。なぜでしょう?物理の問題は、公式を使って問題を解く、というパターンが多いです。 例えば、運動の法則 F=mα を使って、重さ m の物体にある力 ( F) が加えられた時の運動 (α) を求めなさい、というようなものです。知りたいのは α なので、 Fと m の数値が分かれば α= F÷m で簡単に計算できます。中学生でも計算できます。
m は重さなので簡単なのですが、問題は力 F で、これが曲者なのです。大抵の場合、 F は自分で見つける必要があるのです。ここがポイントです。問題の状況に応じて、 力 F は様々です。力にはどんな種類(重力、摩擦力など)があって、どのように働くのかを十分知っていなくてはならないのです。公式 F=mα を覚えているだけでは、手も足も出ません。 力 F のように「公式の裏にあるものをどれだけ理解しているか」が物理の問題を解くためのキーとなります。私は、物理が面白くて物理学科に進みました。面白いと思った理由は上に書いた話と関連します。物理の問題の場合、基本はとてもシンプル(上のように
F=mα だけ)なのですが、与えられた問題の状況をしっかりとらえれば(力 F をしっかり見つければ)、どんな難しい問題でも解ける!と感じたからです。これを受験生にも味わってもらい自信をつけて欲しいと願っています。