2026.07.16
先日,教育についての意見交換をしているとき,ある方が「どのような状況であれ,問題を解けば数学力はつく。」と話されました。そのときに,私が感じたことを書きたいと思います。
真っ先に思い出したのは,私が高校教師なりたての頃お聴きした恩師のS先生(全国的な陸上の指導者)のお話でした。
S先生が有望な高跳び選手であるMさんを指導していたとき,Mさんはいつも飛んでいる160 cmを飛ぶことができませんでした。Mさんは160 cmを飛べなかった日を境に,160 cmを失敗しないように,より一層練習に取り組みました。結果だけを言うと,Mさんが以前の160 cmをクリアできるようになるのに,半年以上の時間を費やしたのです。そのほとんどの時間が,飛べなくなった後に着いた「悪いクセ」を治すのに費やしたそうです。
20才代でこのお話を聴いた私は,そんなに気に留めていませんでした。が,私が監督をするバレーボールチームでも,状況は異なりますが,S先生からお聴きした内容と全く同じが起こりました。このとき,私は「悪いイメージで練習を繰り返すと,変なクセのつくことがある。」ということを実感しました。また,オリンピックの金メダルリストであるラニーバッシャム氏が著書「メンタルマネジメント」中で,「よいイメージでの練習はいい結果につながり,悪いイメージでの練習は悪い結果につながる。」と述べているのを思い出しました。
これは,今の私の教育理念と指導の根幹をなしています。要は,「悪いイメージで学習を繰り返すと,変なクセがつく(悪い結果につながる)ことがある。」ということです。例えば,いやいや学習に取り組む(悪いイメージで取り組む)と,学習における変なクセ(例えば,勉強が嫌いになる)がつくことがあるのです。
要は,「よいイメージを持って行動する」ことが,高いスキルを習得したり,目標を達成するために,大切なのです。
この文を書き終えた今,恩師のS先生,教え子のMさん,バレー部でご縁のあったたくさんの生徒たちの顔が,次々と鮮明に浮かんできました。この機会を与えて頂いた皆様に,心から感謝申し上げます。