2024年 共通テストを終えて

2024.01.29

共通テストが終わり,受験生は悲喜こもごも…。受験生の今後の健闘を心からお祈りいたします。

ところで,今年も共通テスト(数学)を受験した生徒から「時間が足りない。」という感想を聴いています。私が見ても同感で,数学の能力が高くても,高得点が取れない生徒がいたのではないか,と感じています。過去の共通テスト(マークテスト)でも,数学の能力が高いのにマークテストでは思うほど得点出来なかった生徒をたくさん見てきました。

この原因は,マークシートテストでは,問題作成者(作成グループ)が一つの解答を準備し,その解答をもとに穴埋め問題を作ります。ですから,受験生は作成者が考えた解答の流れに沿って考え,問題を解かなければなりません。が,問題を見た瞬間に解答をひらめいた生徒(数学的センスのいい生徒)の中に,自分がひらめいた解答とは異なるマークシートの解答の流れに戸惑いを感じ,時間をロスしてしまうだけでなく,時間内に正解に至らない状況に至ってしまう状況が生まれているのです。自分の解き方なら正解できたのに……。

そのためか,最近のyoutubeでは「時短答案の書き方」,「時短計算法」から,「短時間で解くために,高校では学ばない大学の数学紹介」まで,答案作成の時間短縮関連が数多くアップされています。これら現実的な内容も,それはそれなりの意味があるのですが,数学的な思考や面白さからは,遠く離れた議論になっています。(そうそう,ある大学の数学教師が,共通テストの問題を解いた後,「これは,何の罰ゲームですか?」と言ったとか言わなかったとか……)

こんな現状を目の当たりにし,「数学的思考や数学の面白さ」と「マークシート問題の効率よい解法」の2つを実現する数学指導を深く考えさせられている最近の黒澤です。

この件に,興味のある方と意見交換をしたいと思っています。ご意見のある方の連絡をお待ちしています。