やっぱり子どもは,素晴らしい ④

2022.11.22

今回も,自らの意思で医学部合格の道を切り開いたM君のお話です。

 

明石北高校時代に担任した生徒のM君をご紹介します。M君が高校3年のとき,ご縁があって担任を致しました。性格的にも成績的にも,特に目立つ生徒ではありませんでした。言わば,平均的な生徒,って感じでした。1学期の個別面談で,「先生,医学部受験したいのですが,できますか?」と問いかけてきました。

今まで聞いていた学部と異なることに戸惑う私に,淡々と志望学部変更の思いを話し始めました。長いこと床に伏していた同居のお爺さんが,最近息を引き取られたそうです。その時を目の当たりにしたとき,医者になりたいという思いが心の底から沸き上がったそうです。とても可愛がってくれたお爺さんが,衰えていくところを目の当たりにしながらも,何もできない自分に忸怩(じくじ)たる思いを感じていたようでした。

この日を境に,M君は時間の使い方・授業の受け方・物事の考え方・積極性など,すべてにおいて変化しました。受験までの間にも色々なことが起こりましたが,結果的には産業医科大学合格を勝ち取りました。

始めてM君から医学部受験を聞いた時,私の心の中は「今年の合格はできないだろう。合格は,1年浪人した以降になるだろう。」という思いでした。ところが,M君は現役で合格したのです。

 

子どもは,親・指導者を越える能力を持っている。本当に,子どもって素晴らしい❣