受験生をお持ちのお母さまへ

2023.11.27

12月を目前にし,受験生にとってはラストスパートの時期となりました。受験が迫れば迫るほど,受験生の心の中には,期待と不安が入り乱れます。この不安定なときこそ,「お母さんがどんと構えている」ことが,とても大切です。お母さんが不安定であると,子どもの不安は増長されますが,お母さんが安定していると,早い段階で子どもは不安定な状態から脱却するものです。子どもが不安定な時こそ,お母さんの出番です。そのためにも,日ごろからお母さんが,無理なく自分の不安を鎮める知恵と(すべ)を身に着けておくことをお勧めします。

私がバレーボールの監督を始めたころ,チームも弱く全戦全敗でした。このころ,「県で優勝したい」と思っても,不安は一切生まれることはありませんでした。数年後,兵庫県ベスト4に入ったとき,「優勝したい」という期待が湧いてきました。同時に,「できないかも?」という大きな不安が湧いてきました。この経験から,「実現の可能性が間近に近づいてくると同時に,できないかも知れないとい不安は起こってくるのだ」という気付きがありました。このときに,「期待をみる」か「不安を見る」は,毎日の行動の中で育まれることに気づき,期待を見る目を育てるトレーニングをしたことを思い出します。そのお陰で,何度も迫り来る不安を乗り越えることができました。

受験生が不安なるときは,目標校合格の可能性が大きくなっている時です。このときこそ,お母さんがどんと構えていることが,子どものため,おかあさんのためになるだけでなく,子どもが不安と上手に向き合う術を身に着けるチャンスでもあるのです。